トレーナー養成スクールの選び方と陥ってはいけない7つの落とし穴
これからパーソナルトレーナーを目指し、トレーナー養成スクールを検討している方に知っておいてほしい7つの落とし穴があります。
これはどのパーソナルトレーニングジムでも言われている謳い文句に隠された落とし穴です。
これは業界タブーの暴露ネタですが、皆様のために包み隠さずお話いたしますので是非熟読して参考にしてみてください。
①すぐに現場で役立つ技術と知識が得られる
どこのパーソナルトレーナー養成スクールでも言われている謳い文句ではありますが、
これは皆さんのメリットでしょうか?
直ぐに現場で役立つ能力を身につけることで就職に有利だ、は皆さんのメリットではなく雇うジム側のメリットでしかありません。
>パーソナルトレーナーという職業の現状とは?
でも説明した通り、現状のトレーナーの給料は微々たるもので皆独立志向になるためジム側は常に人材不足です。
そのためジム側は常に人材を欲していて、トレーナー育成の学校を卒業していれば、育成の研修をしなくて済むのです。
「すぐに現場で役立つ技術と知識が得られる」
と同じように、
「ジムに入職後に直ぐに戦力として稼げる」
というのもよくありますがこれも違います。
確かに多くのセッションをこなせばセッションフィーは手元に残りますが、その単価は1000円から3000円程度と安価です。
1つのセッションでゲストからジム側が頂いている料金を考えてみて下さい。
すぐに多くのセッションこなす事ができ、即戦力として稼げるというのも、ジム側の売り上げが上がる事のジム側のメリットに過ぎません。
スクールの卒業生を雇うことが何よりもジム側のメリットなのです!!
あなたがスクールに通うのはジムの為でなく、あなたの為です。あなたのメリットが大切なのです。あなたが幸せになる事が、あなたを通した向こう側にいる一人ひとりのゲストの幸せにもなるのです。
入職後に目も回るような数のセッションを行い、十分に満足できるほどの賃金を受け取れない日々は、あなたを幸せにしてくれるのでしょうか。
その中で、ゲストは幸せに満足感をもっていただけるのでしょうか。
皆さんはこの業界で働く事がゴールではなく、幸せに働き続ける。好きな事で生活して行く、楽しんで人生を過ごす事が目的であったと思うのです。
自分にとって大切なものが何かを見つめ直して、学校を探してみて下さい。
②就職率が高い・就職支援がある。
どこの学校でも高い就職率や就職支援を売りにしています。
パーソナルトレーニングが広く認知され、クロスフィットやバイクエクササイズなどの流行もあり、多くの人々の運動と健康に対する意識が非常に高まりました。
そして、巷には多くのパーソナルトレーニングジムがひしめき合っています。
その結果、どこのジムでも常に求人情報を出し、トレーナーを探し求めているというのが現状です。
つまり、トレーナー業界の就職率は100%どころか200%と言っても過言ではありません(2社から内定をもらえるのも普通です)。
確かに、人気のトレーニングジムには就職希望者が集まり、そこに就職できる可能性がスクールに行く事で上がる、という言い方をする方もいるでしょう。
では、そこに人気が集まるのは何故でしょうか。
福利厚生、人間関係、知名度、給与、会社の大きさ、いろいろな要因がある事かと思います。
皆さんにとって、就職したジムで得られる福利厚生や給与を得る事がトレーナーになった目的ならば、それでも良いと思います。
しかし、そこのジムの条件が他のジムより良かったというだけで、そこのジムが人気になっているという事実に気付くべきです。
トレーナー以外の業種に付いている方や、ご自身の周りで他の仕事をしている方と比較してみて下さい。
このトレーナー業界の賃金、労働環境は他の業界と比べても優遇されているとは全く言えません。
むしろ、劣悪な環境といっても過言ではないでしょう。
そのような業界の中で、ここならば他と比べてまだマシだ、といった観点で就職先を選んでいませんか?
せっかく大切な時間とお金を費やして得た、かけがえのない知識や技術を、
まだここならマシ、という基準で選んだような場所で使うのは非常に勿体無いことだと思います。
あなたの知識と技術は、あなたを求めている人に使ってあげて下さい。
あなたを雇ったジムの経営のために使うのではなく、あなたを求めてやって来た、大切なゲストに対して使って下さい。
あなたは人の幸せを応援するトレーナーなのです。
あなたを求めてやって来た、あなたを必要とする人は、ジムからあなたに支払われる1500円や3000円のセッションフィーなどと比べ物にならないほどの対価をあなた個人に支払ってくれることでしょう。
高い就職率などは初めから担保されているのです。
何故トレーナーを目指したのか思い出して下さい。
③ハイレベルな講師陣の授業が受けられる
講師達の大会における受賞歴、独自のメソッドや特別な知識、華やかな業界と関わりがあったという経歴。
皆さんからしてみれば憧れであり、その講師と同じ道を進めば、必ず成功出来るかもしれない、という大きな期待を持つことかと思います。
また、そのような講師を師事したことが自身のステータスの一部になるでしょうし、自信にもつながることかと思います。
素晴らしい能力を持った講師たちは、自分自身の並ならぬ努力があり、そこに人との巡り会いやタイミングなど要因が相まって形成されたものです。
その人たちから学び、経験を享受できることはかけがえのないものであり、素晴らしい財産になるのは間違いありません。
しかし、その講師がいるところへ行けば必ず自分もそうなれるというのは別の問題です。
独自のメソッドや、有名講師の監修などは、実際に彼らに学ぶことができるのか、確認してみてください。
そして、その高いレベルの論法や技術をスクールに通う短い間に習得し、自分のモノにできるのか考えてください。
プロのアスリートへのトレーナーとしてのアプローチ方法は確かに素晴らしい技術と知識です。
今後、皆様がプロアスリートの帯同トレーナーになることを第1に目指すのならば、そのパイプを得るためにも、自分が一番近くで学べるスクールへ通うことをお勧めします。
ただし、スクールという定まった期間ではなく、卒業後もそこに関わるために、必死で学び、従事し続けることが必要であることは言うまでもありません。
それを目的とするならば、就職支援も不要であるでしょうし、もともとスクールではなく、スクールを運営する会社に就職すれば良いです。
皆さんはトレーナーとして、お仕事する相手はどなたでしょう。
多くの方は、プロのアスリートではなく、ごく普通の悩みを持った人ではないでしょうか。
- 夏までに痩せて水着が着たい。
- 昔の体型をもう一度取り戻したい。
- 自分も変われるということを信じてみたい。
- 健康的な毎日を暮らしたい。
- 健診の結果が悪かったので、健康面に不安が出てきた。
- 好きな人に振り向いてもらいたい。
- 綺麗な体になることで、自分に自信をつけたい。
そのような、ごく有り触れているけれど、その人にとってはとても大きくて大切な問題を一緒に解決していくことを仕事にしていくことになると思います。
もちろん、ハイレベルな知識も大切です。
しかし、その前に身につけるべきスキルが根本にあります。
その根本をスクールという短い限られた時間の中で、最大限、しっかりと身につけることがまず大切だと考えます。
トレーナーになった後に知識やスキルのアップグレードは絶対に必要であり、学び続けることが大切です。
そのためにも最初の基礎をしっかり身につけることがスクールには何よりも必要なのです。
あなたが対応する目の前のゲストの方々は、プロアスリートの理論を求めているのでしょうか。
その知識をきちんと理解して、ゲストは続けることができるのでしょうか。
何を求められているのかしっかりと見つめてください。
決して、タレント講師だけでスクールを選ばないで下さい。
④各種資格取得ができる
資格はいらないとおっしゃる方がいます。
確かに資格がなくとも裏付けられた理論と実績、技術と知識があれば、全く問題ありません。
ただし、現行の日本においては、誰もが自分がトレーナーと名乗ってしまえば、その時点でトレーナーということになってしまいます。
皆さんは、スクールを卒業した後、それを仕事として生計を立てていかねばならないのです。
綺麗事なしに、食べていくということは生きていく上で切り離して考えるわけにはいきません。
自分の技量を証明する一つのツールとして資格を持つことは、自分を売り出す一つの武器になることは間違いありません。
また、ゲストに安心してもらえる材料にもなります。可能であれば資格試験に挑戦するべきだと思います。
また、資格を取るという具体的で明確な目標を持つことで、学習のモチベーションをあげることもできます。
資格取得については、どこのスクールでも取得することは可能です。
ただし、資格取得保証というものが、なにをもって保証をしているのかは各スクールによって千差万別であるため、しっかりと検討してください。
スクールによっては授業のカリキュラムにただ単に資格を提供している団体の教科書を使っているというだけで、それを資格保証制度として広告しているところもあります。
⑤卒業後のサポートがある
実は、卒後のサポートがスクールには最も大切です。
どこのスクールでも、卒業生が母校を訪ねてきた場合、進路などの相談に乗るといったことを卒後サポートとしています。
職員との雑談レベルですら、サポートとしているところがほとんどです。
ただし、個人事業主として独立を検討した場合、その相談については注意が必要です。
今後独立するための相談をしっかりするために、スケジュールを決めて、アポイントをとり、しっかりと相談をする時間を何回も取ることはどこのスクールも認めていないのです。
そこまでの細かい相談は、【コンサルト事業】という扱いになり、別料金を支払う必要が全てのスクールにあるのです。
もともとトレーナーになり、それを仕事としていくならば、その延長線上に個人事業主として生計を立てる、という計画がなされるのは当然です。
それにも関わらず、その計画を具体的に考えて実行に移す際、母校であるスクールは雑談レベルでしか取り合ってくれず、具体的な立案を一緒に手伝ってはくれないのです。
ちょっとしたアドバイスはもらえるかもしれませんが、すべてが初めての作業の中で、その一つ一つには具体的な回答をもらえないのです。
「卒業後のサポートがある」に騙されず、しっかりと
事業計画の書き方や、資金計画の立て方、物件取得の選別方法、銀行や公庫からの融資の受け方、税理士の選定、広告の出し方、ホームページの立ち上げ方、マーケティング手法、経営論法など初めてのことを手伝ってくれるスクールを選ぶようにしましょう。
⑥同じ目標を持ったコミュニティー形成ができる
これについては、どこのスクールにも差異はないと思われます。
1クラスが大きいところでは、その特色を生かしたコミュニティーが形成されますし、個人指導のようなところでは、卒後の交流会やセミナーなどを開いています。
皆さんのスタイルに合ったところを選べば良いと思います。
しかし、スクール中には卒後の学生同士が連絡を取り合って集まっているだけの場合もあります。
そのような集まりも大切ですが、可能であれば卒後もスクールがセミナーや勉強会を定期的に開催しているところの方が、仲間の馴れ合いだけの集まりで終わることなく、自身の向上のためにしっかりと学ぶことができるのでおすすめです。
⑦実際に現場のジムで体験ができる
スクールのカリキュラムの中に、
「実際にジムでゲストを相手にしたセッションを行うことができる」
というのを売りにしているスクールがほとんどです。
多くの場合、その養成スクール自体が運営しているジムや、スクールと提携しているジムへインターンシップという形で現場に出ています。
トレーナーになるために、実際に現場で学ぶことができるのは何よりも大切な経験であり、教室で学ぶこと以上に多くのことを身につけることができる最高の場であることには間違いありません。
だだし、これには十分に気を付けていただきたい点があります。
現在、どこのジムでも人手不足なのです。
つまりそれは、スクールが運営しているジムでも同じことなのです。
スクールはインターンシップという言葉を巧みに用いて、運営しているジムの人材不足の問題を自分達の学生で補うことで解決しようとするシステムを取っていることがほとんどです。
実際のゲストに対して学生にセッションを行わせるならば、セッションを行った分だけの給与を学生に支払うのが当然なのですが、スクールによってはインターンシップという形式のため、授業の一環とすることにより、給与を支払っていないところもあるのです。
これは非常に悪しきシステムであると思われます。
タダ働き以外の何物でもないので、スクールを選ぶ際には、現場体験でしっかりとした給与をもらえるか?どうかを確認したほうが良いです。